フランス出産体験記

 フランス出産体験記

 こんにちは。S25のIです。フランスで出産をしたのでそちらについてブログに執筆いたします。

1. 出産準備

HEC ParisでのMBA生活のため妻と3歳の長女と共に20258月に渡仏しました。慣れない異国での学びと生活が始まって間もない12月、我が家に新しい家族が加わりました。パリで生まれた次女の誕生までの道のりと、フランスでの出産・育児環境についてお伝えします。

  • 病院の選択: Off Campusでパリに住んでいるので、パリ市内からアクセスが良く、設備が整った病院、英語若しくは日本語が使える病院を選定するところから始まりました。上記の条件を満たすものは3つほどしかなく、またフランスも日本と同様産院の出産予約が必要であるため渡仏前から病院と連絡を取り、Hôpital Américain de Paris(アメホス)に決めました。幸いアメホスには日本人通訳の方が勤務されているため、スムーズに予約や支払等を行うことができました。ただ、日本人の通訳の方はおひとりしかおらず、他の方と予約が被ったときや土日は対応不可となりますので、英語で診察を受けることも多かったです。フランスの医療システムは日本と異なる点も多いですが、無痛分娩が80%以上だそうです。
  • 健診の進め方: 健診は月に1~2度のペースで行いました。月に一回の主治医との健診と、妊娠初期・中期・後期にある精密エコーでの健診がメインです。妊娠後期でも主治医に会うのは月に一回だったため、少々不安はありましたが、診察自体は日本とそれほど変わらず丁寧で安心感がありました。フランスでは産院、血液検査のラボ、エコーを受けられる施設などが独立していて、外部で受けた血液検査やエコーの結果を産院に持参しなくてはいけないというのが一般的なようですが、アメホスは総合病院のため血液検査もエコーも同じ病院内で完結でき、その点はとても助かりました。

一つ注意点として、妻の場合は妊娠中に渡仏したため、途中まで日本で健診を受けていました。日本で受診していた病院に紹介状を書いていただいたのですが、その中に胎児の大きさや成長過程についての詳細なデータが含まれておらず、また、フランスと日本では妊娠の週数の数え方なども違うことから「胎児が小さすぎる」と渡仏して最初の健診で指摘され、一悶着ありました。その後日本で受診していた病院から詳細なデータをいただけたこと、週数の違いなどの認識の齟齬を訂正できたことにより事なきを得ましたが、日本の産院は詳細なデータを紹介状に記載しないことが多いみたいなので、妊娠途中で渡仏される方は気を付けたほうが良いかと思います。

 

3. 出産当日

  • 当日の流れ: アメホスでは計画無痛分娩を選択できるため、妻は予定日の前日に事前検診してそのまま入院するという流れでした。予定日の朝から促進剤を入れ陣痛を促し、麻酔を入れて出産するという計画でしたが、事前健診後に陣痛が始まり破水したため、そのまま出産となり予定日の前日夜に娘が誕生しました。フランスの病院は非常に合理的で、出産直後から母子の健康状態を冷静に見守る姿勢が印象的でした。また、担当医の方が出産というものを良い意味で楽しもうという方で、分娩室の空気が常に明るかったのも印象的でした。その一環としてへその緒を切らせてもらい日本ではできない経験ができました。パリで新しい命を迎えた瞬間は、留学生活の中で最も忘れられないシーンとなりました。3歳の長女も姉になるという、家族にとって大きな転換点となりました。

 

4. フランス流の入院生活と退院

アメホスでは退院は出産してから三日後でした。。病院食のフランスらしさに驚きつつも、パートナーが泊まり込みでサポートできる環境など、家族で出産を乗り越えるという文化が根付いているのを感じました。助産師さんが入院中の面倒をみてくれるところは日本と同じで、夜間も娘を快く預かってくださりゆっくり休むことができました。退院時は決まりが多く、服装、チャイルドシート、ベビーカーの条件がしっかり揃っていないとかなり怒られるようです。特に服装は冬だったからか足が出る服はNGだと言われました。

 

5. 試練の事務手続き(役所への届け出)

フランスでの出産で避けて通れないのが、行政手続きです。

  • 出生届(Acte de Naissance: 出産後5日以内に、病院のある区の役所へ出生届を届け出る必要があります。病院から用紙をもらうのでそれを提出する日宇町があります。事前に電話で予約が必要でした。テスト期間でしたので、合間を縫ってフランス語での書類作成と格闘しましたが、AIを使うことでスムーズに手続きができました。
  • 日本大使館への報告: 同時に、日本側への手続きも進める必要があります。本籍登録と出生届を提出し、日本側の本籍登録が完了したら、パスポート申請が可能となります。パスポート取得までは凡そ3カ月程度かかります。

 

6. 2児の育児

  • 学業との両立: 課題やグループワーク、ネットワーキングが続くMBA生活ですが、17時前には語学の授業を取らなければ基本的には終わるので、長女のお迎えと次女のお世話をして、夜に寝かしつけてから課題や予習に移れます。寝かしつけで一緒に寝てしまうことが多いのでその場合、朝早くから起きてやり残したことを行います。
  • 環境の良さ: フランスは子供に対して非常に寛容な社会です。公園や美術館でも、ベビーカーで移動する家族への温かい視線を感じます。特にスーパーで並んでいると順番を譲ってくれる方が日本よりも圧倒的に多く感じます。3歳の長女と生まれたばかりの次女を連れてのパリ生活は、大変ですがそれ以上に豊かな経験となっています。

 

7. おわりに

MBA留学はキャリアアップの場であると同時に、家族にとっても大きな成長の場になります。フランスでの出産は手続きこそ煩雑ですが、素晴らしい医療スタッフと、多様性を尊重する文化に囲まれています。20277月に帰国するまで、この地で家族と共に過ごす一日一日を大切にしていきたいと思います。

 

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