サマーインターン (フランス国外・欧州内)体験談

 以前のブログにて、フランスでのスタートアップインターンについての記事を執筆した者です。https://hecmbajapan.blogspot.com/2024/03/blog-post.html


その後、複数の欧州企業・スタートアップからインターンの内定をいただき、夏はフランス国外の企業で6-8月の間インターンをしておりました。企業規模で言いますと、売上高は€40億、MBA生らしくEBITDAで言うと€4.5億くらいの規模の会社です。

私のインターン内容は、ESG部門で社内の脱炭素を推進すると言うものでした。前職から考えると、かなり畑違いな内容なのですが、私は環境分野に関する関心が比較的高かったのと、せっかく欧州にいるので、欧州らしいインターンがしたいと考えていたこともあり、このインターンを選びました。最初は苦労もありましたが、Term 3で取得したClimate and Business Certificateが奏功し、サステナビリティ界隈のキャッチアップは比較的早く行うことができました。

さて、詳しいインターン内容についてはNDAの関係で詳述することはできないのですが、ブログらしく、私が欧州インターンを通して感じたポイントを2つ記載したいと思います。


① MBAという肩書きに縛られずに、客観的に自分を見直してみることが大事

欧州でインターン就活をする際に、MBAホルダーだから特別扱いをしてくれるという企業は非常に少ないと感じました。もちろん、戦コン、投資銀行、ビッグテック、製薬など、いわゆるMBA 生が卒業後に行きそうな業界であれば、MBA生専用のサマーインターンはそこそこ存在します。しかし、当然ながらそれらの企業の欧州支社への就職を目指す場合は、高レベルの現地語能力に加え、就労ビザを必要としない優秀な欧州人との勝負になってくるため、かなり難しい(書類選考落ちが普通)実情があります。加えて、私はそれらの業界にあまり興味がなかったため、いわゆる修士生のインターンという形でインターン先を探しました。

修士生のインターン先探しも非常に厳しい現実がありますが、募集されている職種のバリエーションという意味では、MBAインターンよりもかなり豊富で、インターン先を探すプロセスだけでも楽しむことができました。また、募集がかけられていない場合でも、その会社のHiring managerに自分のCVを渡して、色々と相談をしながら、インターン枠を作ってもらうということもやりました。このプロセスも非常に面白い経験でした。

ただし、修士生のインターンシップの給料については、どこもかなり少ないところが多く、給料よりも経験を重視したいor将来的に欧州で働きたいと考えている方では無い限り、結構しんどいと感じました。

また、欧州は採用においては、経験を重視するところが多いと感じました。面接においても、MBAで何を学んだかという質問は殆どされず、自分の社会人経験やITスキルに関する質問が多かったです。要は、「あなたはウチで何ができるの?」という質問ですね。いわゆる「ポテンシャル採用」だとか「下駄を履かせてもらう」様な扱いはありませんでした。

これらの経験を通して、自分のスキルの棚卸しとそれを募集職種に如何にマッチングさせるか、そしてそれをどのように綺麗なストーリーに仕立てて面接官にデリバリーするかというのが、一番重要だということを体感できました。この経験は私の中では非常に大きな学びでした。

②欧州のワークライフバランスは最高だった

基本的には9:00-17:00の定時上がり。お昼休みは1時間以上、夏はオフィスに誰もいない。

日本で働いていた私からすると、おとぎ話の様でしたが、本当に欧州は人間的というか、自分の人生を楽しむことの方が仕事よりも重要だということが、当たり前の認識になっています。私がインターンをした会社では、年間35日の有給(通院や家族の迎えなどによる欠勤や病欠はカウントしない)と、部長クラスでも定時に帰るということが当然になっていました。

日本で働いていた頃は、土日以外はプライベートを楽しむ時間が無い状態でしたが、欧州ではしっかりと自分の時間を確保して、家族と過ごしたり、家事をしたり、趣味をしたり、勉強をしたりと、自分の自由にできる時間が多く、気持ち的にもゆとりを持つことができました。

また、特にサマーホリデーの文化は凄まじく、夏冬の日照時間差が大きいせいか、欧州人の多くは夏楽しむことに全力を出します。部長クラスでも3週間ほどの休暇を取ることは普通で、誰も何も言いません。素直に羨ましいと思いました。


もちろん、この部分だけを切り取って、欧州が優れていると申し上げるつもりはありません。欧州も色々と問題を抱えているのは事実です。見方や見る人によって、良し悪しは変わってくると思うので、欧州MBA留学を目指す方は、是非とも欧州インターンもご経験していただきたと思います。もし、欧州インターンについて質問がある場合は、いつでもお気軽にご連絡ください。(お問い合わせは、日本人HEC Paris MBA非公式サイトのお問い合わせから)

このブログの人気の投稿

受験体験記44 建設・私費

受験体験記48 金融・私費

受験体験記46 製造業・社費