フランスでのサマーインターンについて
フランスのスタートアップでサマーインターンの内定をいただいたので、内定までのプロセスを以下の4つに分けて書きたいと思います。あくまで私個人の経験に基づいた内容である点ご留意くださいませ。※ちなみに私はフランス語は話せません。
1. 前置き
2. インターン先探し
3. アプリケーション
4. 面接
1. 前置き
こちらの記事で書かれている通り、フランス国内で見ても、欧州全体で見ても3ヶ月のサマーインターンはあまり一般的ではありません。多くの場合、企業が募集をかけているインターン期間は6ヶ月です。そのため、MBA生は様々な方法で欧州でのサマーインターン先を探すことになります。幾つかの方法が挙げられます。
① 6ヶ月未満のインターンを募集している企業に応募する
② ネットワーキング(= 働きたい会社の中に知り合いを作る)をして紹介してもらう
③ 行きたい企業に自分を売り込んで交渉する
まず①については、米系企業(ビッグテック, 戦コン, 投資銀行, 事業会社など)、その他少数の欧州大企業、国際機関などが6ヶ月未満のインターンの募集をしているので、これらに応募するという方法です。ただし、数が少ない上に欧州中の学生が応募するため倍率は高く、応募しても返信が来ないこともよくあります。ダメ元でって感じでしょうか。
次に②については、色々ありますが、キャンパス内に会社紹介に来ている企業の人と繋がる、LinkedInで検索して個人的に繋がる、キャンパス外のイベントに行き会社の人と繋がるといった方法が挙げられます。特にスタートアップはキャンパス外のイベントに行かないと中々知る機会が少なく、その点において、HECは大都市パリにアクセスしやすいため、ネットワーキングのチャンスには恵まれていると思います。
最後に③についてですが、行きたい企業にメールを送り、頼み込んでみるという方法です。返事が返ってくる可能性は決して高く無いですが、中にはわざわざコンタクトをとってくれたということで、好印象を持ってくれる企業もあります。
私は上述の方法を全部やりましたが、最終的に内定に結びついたのは③のパターンでした。
2. インターン先探し
情報収集と学友との情報交換が大切だと思います。
前者については、キャリアセンターに聞いてみたり、Web検索で自分の興味がある分野で検索をかけてみたり、キャンパス内外で開かれているイベントに積極的に参加してみるという方法があります。
後者については自分が興味ある業界を周りにアピールしておくと、学友がイベントや企業を教えてくれたりということが良くあります。私はこのHECの助け合いカルチャーをとても気に入っています。多くの人と情報交換をしながら効率的にインターン先を見つけましょう。
このように、直接の採用に結びつかないとしても、ネットワークや知識を広げていくことは、欧州で就職先を探す上でとても重要です。日本の就活とはかなり勝手が違うので、この意識を変えることが実は一番大切かもしれません。
私の場合、スタートアップは情報が少ないので、どのようにスタートアップを探したら良いと思うかをHECの学友に尋ねた時に、「こんな方法も試してみたら?」とアドバイスをいただき、そのやり方で内定先を見つけました。それ以外にも、色々とネットワークを広げたことで、公式には6ヶ月未満のインターン募集はしていないけれど、面接してくれた企業はいくつかありました。
3. アプリケーション
インターンしたい企業が見つかったら、アプリケーションを作成していきます。一般的にアプリケーションする際にはCVとカバーレターを提出します。私は、以下の2点に注意しました。
① JD (Job Description)をしっかりと読み込む
② JDの内容に即したCVとカバーレターを作成する
まず①について、JDにはインターンシップの期間や必要な職務経歴や学歴などが記載されています。言わずもがなですが、自分のプロフィールがここにマッチしていないと、採用される確率は低いので、読み込みにはしっかり時間を使いました。
次に②について、カバーレターの書き方はHECで教えてくれます。大切なのはCVとカバーレターがJDに即しているかという点です。ここでしっかり筋が通っていないと、多くの場合書類選考で落とされてしまいます。応募先ごとにCVとカバーレターをカスタマイズするのは正直骨が折れますが、今の時代はJDとCVをアップロードすると、カバーレターを作成してくれる生成AIもあったりするので、文明の利器に頼って効率的に進めていきましょう。
生成AIを使うのは戦略的にも正しくて、最近では書類選考にAIを使っている企業もあり、CVとカバーレターがJDの内容に何%マッチしているかというのも数値化されています。書類落ちを防ぐためにもAIを効率的に使うべきだと思います。
4. 面接
面接は30分〜1時間ほど行われます。採用に至るまでの面接回数は企業によって様々ですが、応募先の課長、部門人事、部門長など、面接官の役職は日本の就活と似ていると思います。
私の場合、面接に招待された会社は6社でしたが、それらの面接で共通して聞かれた点は以下の2つでした。
① 何ができるか(前職での経歴)
② パッション
まず①について、いわゆるポテンシャル採用があまりなく、即戦力が期待されることが多い欧州就活ならではだと思いますが、前職でどんな仕事をしていたかを結構掘り下げて聞かれます。私の場合は、例えば前職の経験を聞かれた際は、JDにマッチしているエピソードを話し、「この仕事を通して培った〇〇のスキルが御社で仕事をする上でも活きますよ(Transferableである)。」という話し方をするように注意していました。
また、経験が少ないことを伝えるのはあまり得策ではないと感じました。例えば、募集職の分野の経験が無い/少ないとしても、それを正直に伝えてしまうと、あまり良い印象が持たれません。面接官から聞かれたとしても、MBAで学んだ経験を活かし、この分野にチャレンジしたいという熱意の話しにすり替えてアピールする方が、面接官への印象は良いと思います。
次に②については、色々と角度を変えた質問を通して、どれくらい熱意が高いかを面接官が見てきていると感じました。私の場合は、サステナビリティに強い関心があり、HECでもそういった分野の勉強をしている点をアピールしました。また、卒業後も欧州に残りたいという意向を伝え、本気度をアピールしました。
ただ、結局はコミュニケーションなので、練習や数をこなすことが大事だと思います。相手の質問の意図をしっかりと理解し、的確な長さで返答をしたり、話題が変わったらすぐに頭を切り替えるなど、普段のコミュニケーション慣れがモノを言う分野だと思います。面接練習には、HECのキャリアセンターを使ったり、学友と練習したりやり方は色々あると思いますが、普段のコミュニケーションでもわかりやすく伝える、自分の熱意や気持ちを言葉に乗せることを意識しておくと良いと思います。慣れない英語で大変だと思いますが、数をこなすと面接官と話すのが楽しくなってくるので、ぜひ頑張ってください。
長文になりましたが、以上が内定をいただくまでの流れと注意点でした。
インターン終了後に、また記事を書きたいと思います。