MBAクラブ活動紹介(Entrepreneurship Club)

本記事ではHEC Paris MBAのクラブ活動全般と、Entrepreneurship Clubの活動について紹介します。


■HEC Paris MBAのクラブ活動について

HEC Parisでは学生主体でクラブ活動が盛んに行われています。クラブ活動に関しては完全に任意の活動なので卒業や単位には大きく影響しません。唯一、クラブのリーダーシップチームに入ると「リーダーシップクレジット」と呼ばれる卒業までに必要なクレジットを取れますが、クラブ活動以外でも取得することが可能です。よって、あくまで主体的なHEC Communityへの貢献と、クラブ活動を通じたネットワーキング、グローバル環境下でのリーダーシップ経験を積むことがクラブ運営の大きな目的になります。

まず、MBAのクラブは大きく分けてプロフェッショナルクラブとソーシャルクラブに分かれます。25個のプロフェッショナルクラブと6個のソーシャルクラブがあります。入学後にクラブフェアと呼ばれる各クラブによるプレゼンテーションとブース出展があるので直接話してから決めることができますが、詳細は以下のURLから見ることができます。


プロフェッショナルクラブはConsulting ClubやVC/PE Club、Luxury ClubやEntrepreneurship Club等が当てはまります。ソーシャルクラブはFrench Connection ClubやWine and Spirits Club、APAC Business Club等が当てはまります。特にLuxury Club、French Connection Club、Wine and Spirits ClubはフランスのMBAならではのクラブではないでしょうか。

次に、クラブの関わり方には大きく2つあります。企画運営と参加です。
強調しておきたいのは「企画・運営」に参加をしなくても、全てのクラブが企画するイベントに「参加」ができるということです。各クラブはWhatsAppグループを通じてそれぞれのイベントの告知やナレッジの共有を行います。MBA学生であれば全てのクラブのグループに入れるので、そこで自分が参加したいイベントに応募・参加が可能です。

■クラブの運営について

任意でクラブのリーダーシップチームに所属をしてクラブを企画・運営することができます。各クラブは最大12名のリーダーシップチームを組成し、運営をしていきます。半年ごとにコホート(S23/J24/S24 etc..)が入れ替わり、例えば筆者の場合は2023年12月〜2024年6月までの活動になります。

リーダーシップチームの役割は4つに分かれており、”President” “Vice President” “Advisor” “Ambassador”があります。Presidentは1名、Vice Presidentは最大4名、Advisorは最大5名、Ambassadorは最大2名の合計12名のチームを組成できます。以下はEntrepreneurship Clubの例です。


基本的にはPresidentとVPの5名がコアになって企画を進め、必要に応じてAdvisorとAmbassadorを巻き込んでいく形です。入学後はまずAmbassadorロールへの応募から始まり、レジュメの提出、面接を経て正式に選ばれます。

筆者はアントレプレナーシップクラブのPresidentを務めていますが、自分でクラスメイトに声をかけてリーダーシップチームを組成していきます。単位には関係がないので本当にそのエリアに関心があるのか、その人のキャリアに繋がるかを見極めた上でコミットメントが高いチームを作れるかどうかが鍵です。また、どのような基準で面接・採用活動を行うかなども決めていく必要があります。

■クラブの活動内容、トレックについて

参考程度に今年のEntrepreneurship Clubの活動を紹介します。

・キャリアトレック

毎年1回、各クラブが主催するキャリアトレックと呼ばれる企業訪問があります。この活動はHEC Parisの正式行事として認められ、キャリアセンターから必要な卒業生の連絡先をもらいながら、訪問プランを練ります。今年のEntrepreneurship Clubは2日間に分けて合計7つの企業訪問をします。LVMHのインキュベーターであるLa Maison des Startups LVMHや、French Tech UnicornのVestiaire Collective、そしてIncubator HECがホストをするStationF内でのインキュベーターやスタートアップへの訪問です。

・StationFビジット

Incubator HECとタッグを組んで、StationFのツアー、スタートアップとの交流をします。
今年は1ヶ月で40名ものHEC MBA生が訪問をしています。フランスのスタートアップがなぜこんなに盛り上がっているのかを知る貴重な機会です。

・HEC Startup Night

これは1つ上の代がリードした企画ですが、グランゼコールプログラムのStartup Circleというクラブと連携をし、HECキャンパス内でフランスで有名な起業家を呼んだパネルトークや、MBA学生で起業をしていた・これからしたい人たちによるピッチ大会、交流会を企画しました。最終的に120名が参加し非常に盛り上がるイベントとなりました。

■実際にPresidentを経験した感想

筆者以外にも日本人でPresidentやVice Presidentを務めている人はいます。実際にPresidentを務めてみて、グローバルチームを率いることの難しさを学ぶことができたり、グローバル人材のマネジメント経験やAmbassadorの選考を通じた擬似採用体験を経験することができました。自分は今まで純ドメ環境で過ごしてきたこともあり、非常に貴重な実践する機会となっています。

また、Presidentをすることでクラスメイトに顔を覚えてもらえたり、Incubator HECなど各クラブで交流が深い組織との繋がりもできます。何よりも自分が興味のあったフレンチテックのエコシステムを学ぶ機会がとても増えました。フランスはStationFを始め、独自のスタートアップのエコシステムが存在します。よってアントレクラブを通じたキャリアデベロップメントやネットワーキングという意味でも適したクラブかと思います。

長くなりましたが、本記事を通じてクラブ活動とは何か、またクラブ活動においてリーダーシップチームに入りたいと思う人が増えると幸いです。



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