MBA入学~サマーインターンまでのキャリアへの向き合い方(夏の陣)

BonjourJ25Tです。


2回に渡ってHEC Paris MBAへ入学してからサマーインターンまでのキャリアの向き合い方をお伝えしております。

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回目の本稿は、前回ご紹介した全体感に加えて、2024年の就職実績を元にしたデータをご紹介した上で、具体的に外資系投資銀行・外資系戦略コンサル・日系PEファンドでのサマーインターンの経験について共有していきたいと思います。

 

前回ご紹介した全体感の中で、①業界/セクターを変える②業種/ファンクションを変える③国・地域を変える についてより詳細な2024年の就職実績データをご紹介したいと思います。全体のデータはこちらから参照いただけます。

 

「①業界/セクターを変える」の具体的な割合は、以下となっております。













コンサルティングが25%でトップではありますが、4位以下の業界がより詳細化されており興味深いと思いました。

ラグジュアリー業界との強固なネットワークを保持しているHECでも、RETAIL & LUXURYの割合が2%というところは現実を表しており、それほど僅少な機会で狭き門ということだと理解しました。

 

続いて、「②業種/ファンクションを変える」の割合は、以下となっております。










MBAの性質上、GENERAL MANAGEMENTが最も多いイメージでしたが、MARKETING/SALESも同程度の割合となっており、事業会社の中でも経営幹部としてのキャリアトラックに乗っていく第一歩としてもMARKETING/SALESも位置づけられると理解しました。

 

最後に、働く場所を変えた61%の方の中における「③国・地域を変える」の割合は、以下となっております。














こちらは非常に興味深い数値でした。想定以上にフランスでの就職に成功している方、フランス以外の欧州で就職されている方が多く、55%にものぼっていることです。
欧州での就職を目指している方にとっては、欧州への就職も夢物語では無いということでこの数値は非常に心強いものでは無いでしょうか。


地域に関連した面白いデータもご紹介したいと思います。こちらはエリアごとのオファー平均給与・最小給与・最大給与・中央値・サインオンボーナス・パフォーマンスボーナスが纏められた数値です。






















北米の最高給与が37万$(5,500万円)という驚異的な数値に驚きつつも、南米の給与水準がアジア・フランスよりも総じて高いことに個人的に驚きました。北米と人材の取り合いをしているために、給与が上がっていっているのでしょうか。

また、中東の給与は額面でも高いのですが、税的な優遇幅が大きいために手取りが大きいこともこのエリアの良さとして、ドバイ等での就職を目指す同級生の話もよく聞きます。

 

業界/セクターごとの給与も纏まっていたのでご紹介します。



























案の定、最も高い5,500万円の給与を提示していたのは金融業界でした。
製薬含むヘルスケアやエネルギー業界の給与が高いことはイメージしていましたが、想定以上に小売(RETAIL)業界も水準が高いことは想定と異なる部分でした。



ここからは、外資系投資銀行・外資系戦略コンサル・日系PEファンドでのサマーインターンの経験について書いていきたいと思います。

[選考プロセス] [選考に向けた事前準備] [インターン期間] [インターン内容] [内定提示までの期間]のカテゴリに分けて、お伝えしていきます。



[選考プロセス]

投資銀行・戦コン・PEのそれぞれで、全く選考プロセスが異なっておりました。

投資銀行:半年にかけて10回程度の面接を行って、主に業界への理解や文化とのマッチ度合いを丁寧に判断

戦略コンサル:全体として5回程度の面接回数で、基礎的なケース面接を序盤で行った上でディレクター・パートナーとの数回の面接を実施。数的なケースにとどまらず、ビジネスケースを途中で行うプロセスとなっている

PEファンド:一般的な志望動機を話す面接と、投資判断を判断するための課題を与えられた上で回答を作成してケース面接として議論する2段階で決定


投資銀行は特に特徴的だと思いました。未経験でもポテンシャルのある方を採用していく前提で、足元のスキルよりも、投資銀行で働く上でのメンタリティや文化整合性を見極める場として、面接を位置づけているようです。
10回以上も一人の候補者を面接していくことには大きなリソースがかかりますし、小手先ではなく内面的なものを重視した採用の姿勢が反映されていると感じます。

戦略コンサルも未経験を積極採用していることは投資銀行と同様ですが、ケース面接にて地頭の良さを判断しているというのが序盤の面接で、パートナーとの面談でファーム文化とのマッチ度合いを見極めるようなプロセスになっているようです。

PEファンドは、即戦力を採用したいという背景より、ファイナンス,M&Aバックグラウンド・コンサルバックグラウンドの方を中心にプロセスが進んでいき、課題に対して準備するケース面接では候補者のバックグラウンドを加味した上で、最終判断がくだされるようです。

 

 

[選考に向けた事前準備]

この選考プロセスを前提にして、それぞれの対策は以下が考えられます。が、ケース面接以外は準備には限界があるというのも実情です。また、ケース対策もそれほどやらずに通過された方がいらっしゃるのも事実なので、センスのようなものもあるのかもしれません。

 

投資銀行:人柄を深堀されるため、IBD業界の外観や興味深いディール・関わりたいディールについての考えを深めておく程度の準備以上は難しい

戦略コンサル:ケース面接に対しての関連本の通読、コンサル経験者による模擬ケース対策、転職エージェント等からの過去ケース事例の収集等によって、鬼門となるケース面接に対して対策するのが一般的

PEファンド:ファイナンス,M&Aバックグラウンド・コンサルバックグラウンド等がある場合は、経験の無い方を重点的に補填する必要がある。特にコンサルバックグラウンドの場合はケース課題の事前準備をPE経験者の知人等に依頼することが有効

 

 

[インターン期間]

 

投資銀行10週間を基本的な期間とする

戦略コンサル 4週間前後をベースに柔軟に設定可能

PEファンド46週間を柔軟に設計可能
※複数バイアウトファンドでのインターンは情報管理の観点より難しい

 

 

[インターン内容]

完全に未経験の領域を体感することもあって、PEファンド以外はキャッチアップ力や文化フィット度合いを中心にプロセスの中で見られることが多いため、メンターが想定以上に丁寧に指導してくれるという経験を多く耳にします。

 

投資銀行:クライアントの資金調達やM&Aに関連する案件の中で、タイミングが合うものに参画していく。フェーズもそれぞれでディール直前のものもあれば、まだまだ柔らかいものにも関与する可能性はある。
その中で、アソシエイトクラスが担当するリサーチや分析・資料作成を担う

戦略コンサル:アサインされるプロジェクト次第で、アイデア出しから始まる新規事業案件の場合もあれば、非常に負荷の高いBDD案件にアサインされる場合もある。
管理職やコンサルタント
/シニアアソシエイトの元で、分析・資料作成の一部パートを担当する。

PEファンド:既存ポートフォリオの中の特定企業のバリュークリエーションに従事するパートと、新規投資検討を行うパートに分かれて進める。
既存ポートフォリオの
CEOをはじめとする経営層と密に議論して検討テーマを主導し、新規投資判断を行うためのモデリングを行う。

 

 

[内定提示までの期間]

内定提示の時間軸もそれぞれで興味深いと感じました。投資銀行と戦略コンサルでは最終日にオファー面談が設定されたということで、現場での評価がほぼ採用に直結している印象を受けました。一方で、PEファンドはシニアなパートナーの合議の上で採用が決まることが多く、時間を要するように見受けられます。

 

投資銀行:インターン最終日~1週間後程度

戦略コンサル:インターン最終日~1週間後程度

PEファンド:インターン後、12ヵ月程度

 

 

今回は、インターンの選考~内定までのプロセスを3業界に渡って比較しながら、お伝えしてきました。

インターンはあくまで1つの手段ですが、MBAならではの機会も開かれているので、有効に活用していけると良いのでしょうか。

 

それでは、またいつか!Au Revoir!!

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