MBA入学~サマーインターンまでのキャリアへの向き合い方

 BonjourJ25Tです。

MBAへの入学まで長い道のりだった。キャリアについては一旦、入学して慣れてから色々見て考えていけば良いよね」
そのようなスタンスで後々、少し後悔した という話を聞きました。

それも受けて、2回に渡ってHEC Paris MBAへ入学してからサマーインターンまでのキャリアの向き合い方について、書いていきたいと思います。
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回目の本稿では全体感について触れていき、2回目の次稿は具体的に外資系投資銀行・外資系戦略コンサル・日系PEファンドでのサマーインターンの経験について共有していきます。

MBAを目指す/目指された理由は何でしょうか。MBA後に学んだことを活かして幹部として活躍する、ファミリーカンパニーへ帰って経営を担う、スタートアップエコシステムに入り込んでスタートアップを立ち上げる、前職から全く別業界へ転職する、もしくは海外の職を獲得して海外生活の足掛かりにするetc..の目的に向けてキャリアを考える機会としてMBAは位置付けられると思います。

 

少し構造化して示すと全体感は以下のようになります。













キャリアを変える上での要素は①業界/セクター(例:メーカー→金融)を変える ②業種/ファンクション(例:マーケティング→財務)を変える③国・地域(例:日本→スペイン)を変える という3点です。

公式にHECが出しているデータに基づいてキャリアチェンジについて触れると、62%が業界/セクターを変え、59%が業種/ファンクションを変え、54%が働く国・地域を変え、34%が3つのうち2つを合わせて変え、28%が全てを変えたというのが2024年の卒業生のデータだそうです。










これが多いか少ないかの捉え方は各々だと思いますが、地域を変えている人が54%いたことは個人的には多いと感じました。

 

今回は、この中でも①業界/セクターを変える日本における場合について、深堀して論じていきたいと思います。

MBA採用における主要な業界に限定して、論じるので他の道もあるという前提で捉えてください。














公式な数字ではないですが、HEC ParisのJ25の同級生が2025年春時点で志望していた業界の大まかな割合をご紹介すると

MBB(Mckinsey,BCG,Bain)をはじめとするコンサルティングが35%程度、投資銀行やPEファンド・VC等の複数業界を纏めた金融が25%程度、Google, Amazon, Meta, Apple等のグローバルTechが15%程度、イーライリリー,武田薬品等の製薬・ロレアル等の消費財・シーメンス,ボッシュ等の産業材メーカー10%程度、LVMH・Kering・Cartier等のラグジュアリー企業含むその他事業会社5%程度、スタートアップ,起業5%程度、その他5%程度という数字感でした。





















あくまで志望者の数値ですが、個人的には、コンサルティングの比率が高過ぎでは無いか、、という意見を持ちました。実際に、同級生の多くはMBBの各国オフィスの採用に多くがアプライしていました。ケース対策をコンサルティングクラブ主催で行われていたりと熱量は高いです。

スタートアップやStation Fとのオープンイノベーション関連の取組みを売りにしながらも、学生の就職希望の実態は至ってコンサバティブです。この数字も、アメリカのハーバードやスタンフォードのような起業家精神旺盛な学校では様相が異なるようです。正確な数字では無いですが、スタートアップ,起業志望者が体感として20%程度はいるかもしれないと、在籍している学生は話していました。


そして、③国・地域とも少し関わりますが、グローバル市場での就職を目指すことと、日本市場での就職を目指すことは難易度が大きく異なります。言わずもがな、グローバル市場での就職は競争相手が英語+現地言語を話す人材となるため、激しい倍率を勝ち抜く必要があります。

一方で、日本市場における就職はトップ20程度のMBAを卒業した日本人の400~500名程度の中での争いのため、倍率が低くなります。恐らく、倍率が高いMBBですら10倍程度にはおさまるでしょう。グローバルはその数倍~数十倍であることが想像されます。

いくらグローバルよりも競争倍率が低いとは言え、数倍~10倍程度の倍率はあるでしょう。また、PEファンドやVCのような採用数が1~2名というポストの場合は50倍~100倍程度の場合もあります。

そういった競争環境を踏まえて、希望の進路へ進むためには、できるだけ多くの機会へ挑戦することが前提になると考えます。

各社の方針と状況によりますが、コンサルティングファームの例でいえば、全体の内定数は各年5~10名程度だとします。インターンの受入数1~9名に対して、内定者数が半分~2/3だとすると、インターン終了時点での内定者数は1~6名となります。その時点で半分以上の枠が決まっており、残りの半分弱の枠を9月からの本採用によって、取り合うのです。

インターンに応募して落ちた場合でも、本採用には再度アプライすることができるので、インターン時点から志望業界へ応募する方がチャンスは多く来ると考えられます。






















本ホームページでも触れていますが、インターンの説明会や面接は入学よりも前から始まっています。こういった情報に触れていないと多くの機会を逃すことになります。特に、1月入学の方は入学した途端に多くの企業のサマーインターン募集は終わっており、受け先が無いということになりかねません。

あくまで、こちらは公式に応募している企業のスケジュールなので、ネットワークを駆使して機会を取得しに行くことはいくらでも可能です。

本稿では、全体感を論じていきましたが、次稿では外資系投資銀行・外資系戦略コンサル・日系PEファンドにおけるサマーインターンの応募~仕事漬けの熱い夏までをお届けしたいと思います。

Au Revoir~!!

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