米国コーネル大学への交換留学

現在、私はアメリカ・ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学ジョンソンスクールに交換留学中です。この記事では、HEC ParisのMBA受験を検討している方やアメリカの交換留学に興味のある方を対象に、HECと比較する形でCornellでの留学生活についてお伝えします。

特に関心が高いと思われる 授業、授業以外の生活、コスト の3つの観点で比較していきます。


1. 授業

授業の雰囲気と質
一般的にアメリカのビジネススクールは学生の平均年齢が欧州より若いため、授業の雰囲気も比較的フレンドリーで活発です。一方、HECは年齢層が高めで、やや落ち着いた印象があります。授業の質は大学全体ではなく、教授次第という印象です。個人的には、コーネルは全体的に授業の質が安定しており、HECは好みがわかれる授業が多かったと感じました。特に、戦略系の授業に関しては、HECで受講したものが個人的に最も学びが深かったです。

履修の幅と授業形式
コーネルのような総合大学では、MBA以外の修士課程の授業も履修可能です。私はMBA以外の人事や不動産のマスターの授業も受講しましたが、これが非常に興味深い経験でした。これはHECにはない大きな利点です。アメリカではレクチャーベースの授業が多いのに対し、HECではグループワークの比率が高く、参加型の授業が中心でした。
また、授業内容においては、HECはアカデミックな志向が強い一方で、コーネルは実務に直結した内容が多いです。例えば、ファイナンスの授業では、HECは理論重視でしたが、コーネルではエクセルを用いたモデリング演習など実践的な課題に取り組みます。

英語環境
英語力に関しては、HECでも授業はすべて英語ですが、教授によってはアクセントが強い場合があります。ただし、想定していたよりもコーネルでも非ネイティブの教授が多く、英語力に大きな差は感じませんでした。ただ、授業外の環境も含めて英語漬けの日常を送りたい方には、コーネルのような英語圏の大学への交換留学をおすすめします。特にノンネイティブの方は、欧州のスクールで英語に慣れて、交換留学で英語圏でブラッシュアップするというのはとてもいいと思います。




2. 授業以外の生活

キャンパス環境
HECも郊外に位置していますが、コーネルはさらに田舎のイサカという街にあります。ニューヨーク市まではバスで約4時間かかるため、都市の喧騒を離れて学業に集中するには最適です。その分、イサカは自然豊かで、キャンパス内ではリスや鹿に出会うこともあります。冬はHECよりも寒くなりますが、その分、四季の移り変わりを楽しめます。振り返るとHECもキャンパスは田舎ですが、1時間弱でパリの中心街や飛行場に行けるのは、とても便利でした。

住居
交換留学生は寮に入れないため、私はホストファミリーの家で部屋を借りています。大学まで少し距離はありますが、充実した生活を送れています。他の交換留学生の多くは学生街でルームシェアをしていますが、それも楽しそうです。

就職活動
私は戦略コンサルティングの東京オフィスを目指していたため、フランスとアメリカでの動き方は変わらず、オンラインで応募・面接を進めました。戦略コンサルはオンライン対応が主流のため、ボスキャリには参加しませんでした。ただし、幅広い業種を検討している方には良いオプションだと思います。また、私は全く検討しませんでしたが、現地就職はビザやマーケットの状況によるところが多いようです。最近は欧米のジョブマーケットが悪いため、ビザもないノンネイティブでグローバルに通用する職歴などがない方がいい仕事を得るのは、引き続き厳しいかもしれません。






3. コスト

生活費
生活費はHECとコーネルで大きな違いはありませんでした。住居費に関しては、HECでは寮なら€700-800程度、コーネルでは$700-1500程度が目安です。私は$700の部屋に住んでいます。食費や日用品費はややコーネルのほうが高く、パリと比べて10-30%ほど物価が高いと感じました。

その他の費用
フランスでは社会保険に加入できましたが、コーネルでは学期ごとに約25万円の学生保険に加入する必要があります。また、アメリカのビザ取得には約10万円程度の費用がかかりました。また、9月入学で、夏休みに日本に一時帰国し、最後のTerm 4で交換留学する場合、航空券代はフランスに戻ることを考えるとアメリカへの航空券代はそこまで変わらないです。9月入学で、夏休みに日本に一時帰国し、最後のTerm 4で交換留学する場合、フランスに戻らずに卒業できます。

トータルの費用
入学のタイミングや住む場所にもよりますが、うまくはまれば、全てのタームをパリで過ごす場合と比べて、アメリカへの交換留学を選んだからといって大幅にコストが増えるわけではありません。航空券代もフランスへの往復を考えると大きな差はありません。




まとめ

HECでの9月入学からTerm 4にアメリカへ交換留学するのは非常に良い選択肢だと思います。学部時代にアメリカ西海岸で留学経験があった私にとっても、東海岸での生活は新鮮で、多くの学びを得ることができました。ビジネスの世界で活躍したい方にとって、世界のGDPや消費の多くを占めるアメリカでの経験は貴重です。興味のある方はぜひ挑戦してみてください!

このブログの人気の投稿

パリでの生活事情

受験体験記48 金融・私費

受験体験記47 コンサル・社費