授業紹介 - Capstone
HEC Parisで受けた授業の中で、一番印象に残った授業、Capstoneについて紹介したいと思います。
9月入学者はTerm2の始まりからTerm3の終わりまで続く、MBA Projectで、課題を自ら設定し、アプローチとそこから結論を導く、プログラムです。
一方で、各レクチャーの後にどんなTake Awayがあったか、がホワッとしているのか、当の私自身もCapstoneの目的(全体像)や、なぜそのレクチャーをするのか、それを通して何を学べるのか、なかなか理解できずにいました。しかし、夏のインターンをしていた時に、資料を一番見直し、MBAで受けた授業の中で、最も実践的だったと後から実感したので、ここで紹介したいと思います。
1. Capstoneってなに?
- 今年から始まった授業。教授陣またスクール側もまだ手探りで作り上げている、という印象
- 早朝からの体験(Intakeによりどうような形になるか分かりませんが、ワクワクがなくなるのでここでは割愛)からスタートし、月1度程度のペースで全体講義が設けられている
- 主に3つのPhaseからなり、特に下記(2)ではゲストスピーカーやMBAだけでないHEC Parisの教授の講義
1) Trend Gazing
2) Issue setting
3) Report & review (peers’ reviews)
- Issue setting について、複数回グループワークでそれぞれ異なる方法でフィードバックをもらい(おそらくそれもプログラムの意図するところ)、視点を変えて再考する機会がある。
- Reviewについて、クラスメイトのReportのReviewを複数回を行い、そのPeer’s reviewについてさらにReviewをする設計がされている。また提出した自分のReportについては、Peer’s ReviewとAIが判定したReviewのフィードバックをもらう
2. なにがどのように役に立ったか
最後の最後にCapstoneの意味を自分なりに解したので、万人受けする授業ではないかもしれませんが、インターンを通して、どのように役に立ったかを2点挙げたいと思います。
- ① ワークショップ : 間違えを恐れるな!のようなセッションが、とりあえず形にしてぶつけてみる、助言を創り出す意味で役に立った
- インターン中、戦略チームの中で新たに日本市場へ参入するにあたり、顧客となり得るIndustry、company or organizationの選定、そこへのアプローチ、得られるメリット及び想定売上について、方法論とそれを実際にアレンジしてPoCまで漕ぎつける、というもので、実際のアプローチ前にはCSOを納得させ、動かす必要がありました。また、一週間もあればトレンドが変わったり、政策・方針に左右される業界の中で、世界の流れと日本の流れの両方をReasoningに盛り込むためにも、とりあえず組み立てて形にしてぶつけてみる、助言を創り出す、という観点でワークショップのマインドセットが役に立ったと思います。(Capstoneでそれを意図していたかは不明)
- ② Issue settingセッション : プロセスの理解とアプローチの考察に役立った
- レクチャーで学んだ、メソッドとしてのEurekaやTOSCAを使って、「課題を設定」し、それに対する仮説とそこから想定しうる解をトライ&エラーで探る作業が、インターン中の実務で役に立ちました。コンサルバックグランドの方であれば当たり前のプロセスかもしれませんが、答えがなく、かつそれに繋がる情報が少ない(または助言が全くない)場合、この当たり前のステップが、次にどのようなアクションを起こすことで次につながるか、がより鮮明になり、インターンの短期間で結果につながったと思います。
3. Wrap up
MBAでは基本的には理論を学びます。例えばマーケティングであれば、理論と実例をもとに課題を行いますが、実務ではより多くの変数や人を巻き込んでいて(さらに社内政治とか)、単純なものではないかと思います。また、営業のような、実はビジネスの上で重要だけれども体系化されていないものは、MBAでは直接的に教わることはありません。クラスで学んだ理論を実務レベルに落とし込む橋渡しとして、Capstoneが、実践により直結しており、役に立ったと感じています。