授業紹介 - Managerial Economics (Term 1必修科目)
本記事執筆時は5月初旬で、9月入学者にとっては、必修科目のTerm 1とTerm 2が終わり、選択科目、短期留学やCertificateと呼ばれるコースを取るTerm3の時期に入っております。
Term 1と2はクラスが存在し、MBA生同士で授業を受けますが、Term 3以降は各々が興味に応じて異なる授業をとっていくので、クラスの概念は無くなります。Term1と2で毎日顔を合わせていたクラスメイトに会う機会も減るので、少し寂しくもあります。
ちなみに私はTerm 3は選択科目、Term 4は交換留学に行くため、実質Term 2でHECキャンパス生活も終わりになります。
さて、今回はTerm 1で印象的だった授業、Manegerial Economicsについて書きたいと思います。
1.Managerial Economicsとは?
Managerial EconomicsはPhase1の必修科目の一つで、内容的にはミクロ経済学の初歩といったところで、カバーするテーマは消費者理論や生産者理論などの伝統的なミクロ経済学の分野から環境経済学、シェアリングエコノミーなどの比較的新しい分野まで含まれます。
2.授業内容
授業で扱う内容は下記の通りで、ミクロ経済学の伝統的分野から新しい分野までカバーされています。
・生産者理論
・消費者理論
・完全競争モデル
・独占
・情報の経済学
・ゲーム理論
・環境経済学
・シェアリングエコノミー
・価格戦略
・創造的破壊
注目すべき点は、以下の3点だと思います。
1つ目は、シェアリングエコノミーのような比較的新しい分野がビジネスとの関連から扱われていること。日本でもライドシェアの議論がなされることがありますが、このようなことについて経済、経営の観点から授業が展開されます。
2つ目は、環境経済学のようなサステイナビリティと関連が深い分野が扱われていることです。HECではこの授業に限らず、サステイナビリティに関連する分野が扱われることが多いと感じますが、この授業でもサステイナビリティと経済、経営の関連を学ぶことができます。
3つ目は、創造的破壊のような経済学というより経営学と関連が深いと思われるような分野が取り扱われていることです。
3.授業スタイル
Managerial Economicsの授業はMBAの授業らしくインタラクティブな授業が展開されます。教授が一方的に講義をするという形式ではなく、教授が適宜、学生に質問を投げかけながら授業が進行していきます。ですので、授業には予習をして臨んだ方が、授業への理解も深まります。
4.この授業のMBAっぽいポイント
この授業で扱う内容自体は大学の一般教養、経済・経営系の学部で扱う内容と大差はないかもしれませんが、以下の点においてMBAらしい授業になっています。
第一に、これは先程も述べた点ですが、授業がインタラクティブに展開されるという点です。
第二に、グループワークが課されるという点です。評価のうちの30%はグループワークが占めます。MBAらしく、グループワークを通してチームワークやリーダーシップが涵養されるように授業がデザインされています。
第三に、ミクロ経済学がビジネスとの関連の文脈の中で教えられるという点です。例えば、生産者理論や消費者理論を扱う際は、価格の設定を行うときに各々の企業はどのようなことに基づいて価格を設定するか、消費者は企業の価格設定にどのように反応するかが扱われます。
そして、予習ではアカデミックな内容のものではなく具体的な事例を扱った資料に目を通すことが求められるという点です。MBAらしく実践的な観点から思考することが求められます。