子どもとのキャンパス生活

本投稿では、妻+子ども(4歳)との帯同生活をケースに、子どもとのキャンパスでの生活にフォーカスを当ててお伝えします。

なお、パリ市内・ヴェルサイユに住まれる場合、お子さんが幼稚園の対象年齢外の場合は本サイトからお問い合わせいただければ、より適切なプロファイルの方をご紹介できるかもしれません。


①キャンパス内の施設紹介

キャンパス内にある子供向け施設は、①MBA生の多くが住むことになるB棟にあるFamily room、②B棟前のブランコ・滑り台が設置してある小さな遊び場となります。









Family roomは子どもがいる家族のみが入ることができるプレイルームで、写真のように大きめの部屋にはキッチン、テーブル、おもちゃや本が置いてあるスペース、および赤ちゃんの寝かしつけが可能な小さな部屋がある構成になっています。

Family roomの実務的な運営はPartners club (帯同パートナーが入るクラブ)が担っています。Partners clubの代表になったパートナーは学校側との予算交渉なども行うようです。清掃、物資の寄付などは基本的に自主的に実施しますが、清掃業者も週一回程度入っているようで綺麗に保たれています。たまに大掃除をしたりしています。

Family roomを使用したいパートナーは学校に子どもの名前を含めてメールすることでIDカードにアクセス権を付与してもらえます。このように、子どもをもつ家族のみがアクセス権を持っているため、子どもを安心して遊ばせることができますし、子どもをもつパートナー同士の集まりにもよく使われています。

なお、Partners clubに加入しないとキャンパスへの出入りおよびFamily roomへの出入りに必要なIDカードが入手できないので、キャンパスに住むパートナーは実質的に強制加入となっています(費用は数十€だったと記憶しています)

一方で、子どもの誕生日会などのパーティでは同級生なども招待するなど、タイミングによっては割と自由度高く使用されています。(もちろん大人だけでのパーティなどは禁止です)

子どもを連れてキャンパスに住む学生は日本人を含むアジア人のケースが多いからか、日本語の絵本も寄贈されています。先人の恵みに感謝しながら大切に使っています。

写真はないですが、体育館も常時解放されているので子どもと遊ぶのに向いていると思います。

②幼稚園(現地校)

フランスでは3歳から義務教育となっており、現地のpublic schoolであれば無償で通わせることができます。日本人にとっては、現地校、日本人校、インターが選択肢に上がると思いますが、我が家では費用と立地を勘案して現地校に通わせることにしました。なお、Jouyには日本人校、インターはないので、もし通わせるならキャンパス外に住むことをお勧めします。

Jouy近辺には3つほど幼稚園がありますが、MBA生のお子さんはほとんどの場合Parc de Dianeという幼稚園に通うことになると思います。執筆時(2024年6月時点)では3名(日本人、レバノン人、インドネシア人)が通っています。

校長先生をはじめ先生方の経験が豊富で、フランス語を話せない子どもの扱いに慣れているので非常に安心して預けることができています。残念ながら校長先生は2024年9月以降転園されてしまうそうですが、同じMBA生の子どもが通っているだけでも情報交換などで大いに助かっています。

幼稚園のスケジュールについて、フランスの幼稚園は9月~翌年6月末までが1年度となり、その中で6週間の登園(水曜日はお休みなので週4日)+2週間の休暇のサイクルを繰り返します。2週間の休暇をフランスではバカンスと呼ぶそうですが、休み明けには子どもが幼稚園に行きたがらなかったり、休み中は遊びを考えるのが結構大変です。苦笑

1日のスケジュールは、8:30-12:00が午前、14:00-16:30が午後の二部構成で、12:00-14:00のお昼休みでは幼稚園と家のどちらでも昼食が可能です。幼稚園で昼食を食べさせる場合8€/食ほどが費用として掛かります。また、16:30-はafter schoolとして学童がありますがこちらも別途費用が掛かります。

運営面では、先生たちの仕事が明確に区切られています。彼らの職務は8:30-12:00と14:00-16:30のクラスに限られていて、昼食や学童は別の人が管轄しています。なので昼食のことを先生に相談しても役所に相談するようにアドバイスされるだけです。job descriptionがしっかりしている欧州ならではだなあと感心しました。

教育について、フランスではモンテッソーリをベースにアルファベットの読み書きだけでなく図形なども練習します。制作物は適宜渡してもらえますし、バカンスに入る前日にはそれまでに行ったプリントなどを一つにまとめて渡してもらえます。

我が家の子どもはフランス語が全く話せない状態で入り、半年たった今も話すことはできませんがどうやらある程度聞き取れているようです。仲良しの友達が英語を話せるのでどちらかというと英語のほうが理解できている印象を受けています。言語の壁はありますが、子どもはどんどん乗り越えて大きくなってくれています。

入園には役所へ書類を提出する必要があります。ご参考までに、我が家が提出した書類を記載します。大使館に依頼する必要があるものと日本で準備が必要なものがあるので事前によく確認してください。

  • パスポート、ビザ
  • Formulaire d'inscription scolaire:申込用紙、Jouyの役所HPから入手可能
  • 出生証明書:在パリ日本大使館でフランス語に翻訳してもらう
  • 戸籍謄本:在パリ日本大使館でフランス語に翻訳してもらう
  • 住居証明書:Adminから発行してもらえるcert
  • 予防接種証明書:日本で作成しておけば、在パリ日本大使館でフランス語訳を作成してもらえる
  • 在園証明書:日本で幼稚園・保育園に通われていた場合は在園証明書をもらっておく必要あり。こちらは自分でフランス語に翻訳したワードと原文(PDF)を提出

③病院関係

子どもの病院関係は初めてのフランス住まいにとって関心が高いと思います。

注意!!キャンパスには診療所があり学生はいつでも診療を受けることができますが、帯同者(パートナー、子ども)は対象外です!これにはかなりびっくりしましたが、事前に認識しておくだけでも心構えができます。

フランスではDoctolib( https://www.doctolib.fr/ )というアプリが有名なようですが、我が家では使用していません。

代わりにAmerican Hospital of Parisを行きつけの病院としてます。パリ・アメリカンホスピタ | American Hospital of Paris (american-hospital.org)

こちらの病院では日本人の医師に対応していただくことができます。キャンパスから遠いのが難点ですが、対応も丁寧ですしおすすめです。我が家では一度利用しました。旅行保険に入っていたため費用を直接保険会社に請求してもらえました。こうした対応もとてもスムーズです。

④その他

キャンパスでの遊びが退屈になってきたら、キャンパスを出て色んなところにお出かけすることをおすすめします。

  • Farm Viltain:キャンパスのすぐ近くにある牧場です。売店で売っているティラミスがおいしくておすすめです。牛も見ることができます。不定期?にフェスティバルを開催していて、ポニーの乗馬体験ができました。ちなみにこの牧場からなのか、天気によってはキャンパスまで牛のにおいが漂ってくることがあります。HEC Parisという名前からは想像がつかないほどのどかな気分に浸ることができます。笑
  • Velizy2:キャンパスから最も近いショッピングモールです。バスだと40分ほど、車だと15分ほどで到着できます。0階に小さなゲームセンターコーナーがあって時々遊ばせています。
  • Jouyの駅前の公園:JouyにあるRER(鉄道)の駅前に公園があります。地面がウッドチップで敷き詰められていて安全に遊べます。が、道路に面しているので個人的にはあまり使用していません。

パリ市内まで行けばもちろん動物園、水族館や美術館があるので一層楽しむことができます。

最後に、子どもを幼稚園に通わせる、子どもと頻繁にお出かけするご家族はぜひ車のリースを検討してみてください。400€/月ほどしますが、キャンパス周辺の交通の不便さを打ち消すことができるので大変おすすめです。

長くなりましたが今回の投稿は以上です。

MBAの一つの大きなメリットに、家族・子どもとの時間を多く持てることがあると思います。仕事の制約なくたくさん子どもと過ごせる期間は非常に貴重ですし、子どもにとっても大きな糧になるものだと思います。

こうした実生活の様子が皆様の受験のモチベーションにつながり、何かしらのご参考になれば幸いです。

ご相談などありましたら本サイトからお問い合わせください。

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