サマーインターン体験記-ベンチャーキャピタル

 ■HECでのサマーインターンについて

HECParisは9月入学・1月入学と、2回の入学タイミングがありますがどちらのタームでもサマーインターンを実施可能です。両ターム共に6月末近くまで授業やテストがあるため、基本的には7月・8月の2か月間でサマーインターンを実施する形が大半となります。
9月入学の場合、入学後にキャリアセッション等が開始され、人にもよりますが入学直後から翌年のサマーインターン先を探すアクションが開始されていきます。
1月入学の場合、9月入学の4ヶ月後の入学となりますが、応募母数が少なくなるといった機会損失は、基本的にはないと思います。ただ企業によりますが、この時期は多くの企業のインターン選考が始まる(またはもう始まっている)時期でもあるので、入学直後に選考が入ってきてそれなりにバタバタします。そのため1月入学をされる方は、受ける業界・企業にもよりますが、リサーチや応募準備(もしくは選考自体)を進めておくと良いかと思います。
ちなみに私は1月入学ですが、インターンに関する情報収集、OB訪問、選考等のアクションは前年9月から開始しており、それなりに就活が進んだ状態で入学しました。

 

■インターン先の見つけ方

ベンチャーキャピタル(以後、VC)は基本的にはファンド組成した付近のタイミングで新しく人を雇用する形になりますので、事業会社やコンサルの様に毎年コンスタントにポジションが空くわけではありません。興味があり、自分のスキル的にフィットしていても、タイミングの問題でポジションが取れないこともさほど珍しくないです。そのため、ある程度多くの企業に接触してインターン受け入れ可能な企業の母集団を確保し、様々なキャピタリストの会話を通じてベストな会社を探すプロセスだと捉えてます。

 

◾️受験準備×3点

あくまで私個人のケースですが、受験準備として、1.志望動機2.貢献ポイント3.投資仮説の3点を整理しました。

1.志望理由

どの業界を受けるにしても準備必要ですが、VCは特に重要だと感じてます。VCはスタートアップへの投資を行い何らかのexitを通じて利益を確保するビジネスですが、仮にシード•アーリーステージへ投資をすると投資先企業のexitまで6-7年かかることも全く珍しくないです。つまり自分の仕事の成果が見えるまでにかなりの時間がかかる職種であり、成果が見えづらい事は時にモチベーションの低下に繋がってきます。それゆえにた、志望動機の話に戻りますが、長期戦の戦いの中で、成果が見えなくても自分なりにスタートアップへの投資活動を頑張れる意義や理由の芯の強さが必要になってくるわけです。むしろこれはサマーインターンの成功有無という目先の話だけでなく、キャピタリストとして働き続けられるか?という観点で、自分に問いかけるべき重要なポイントだと思ってます。


2.貢献ポイント

VCはプロフェッショナルファームであり、また言わずもがなMBA採用は中途採用枠なので基本的に早い段階での即戦力化が求められます。また、ファームにもよりますがおそらくMBBの戦略コンサルやAmazonように体系化されてるプログラムを用意してる企業はほとんどない文脈も鑑みると、自らファームに対する貢献ポイントを探して、社内外の関係者を巻き込んで、仕事を創っていくスタンスが必須かと思ってます。
そのため過去の自分の業務経験を棚卸しand自分が出来る貢献を整理して、自ら仕事を創っていく上で具体的に何が出来るかを考えておくと良いと思います。これは面接対策でもありますし、実際にインターンのDay1からアクションを起こしていく上でも大切です。

 

3.投資仮説

 VCは投資家であり、投資家としてどのフィールドを主戦場にして戦っていくのかの仮設=投資仮説を作りました。実際に面接でも聞かれますし、キャピタリストになった後も常に取り組み続ける作業だとおもいます。仮説を立てる際、現時点までのキャリア経験・スキルを棚卸した際に、「どのような形の投資活動なら自分の強みが活かせるのか?」の問いからスタートすると良いかと思っています。仮説検討で押さえるべき項目として、代表的なものは下記です。

 

  • 投資分野(Deeptech、SaaS、エネルギー、ToB、ToC等)
  • 投資地域(日本、アメリカ、東南アジア、ヨーロッパ等)
  • 投資フェーズ(シード、アーリー、レイター等)


◾️アクション開始

上記の準備が出来たら(もしくは準備しながら)実際に企業にアプローチをしていきます。比較的毎年コンスタントにMBAサマーインターンを募集しているファンドが3社ほどありますので、こちらのオープン募集に応募するのは起こしやすいアクションです。MBA合格が決まると合格者コミュニティ、学校からの連絡、もしくはネットにてこれらの情報は回ってくると思います。
またオープン募集でなくとも、知人、友人またはダイレクト問い合わせ経由でポジションを探しに行く手段もあります。私の場合はこちらの手段経由でインターン先を確保しました。
私の場合はとにかく知人や前職の方々経由で多くのキャピタリストにお会いする事を意識してました。理由は二つあって、一つ目は前述のとおりファンドで働けるか否かはタイミング要素がかなり作用されるので多くの人に会って確率を上げたかったのと、二つ目はファンドの色と個性をしっかりと体感しておきたい事が目的でした。実際会ってみてファンドによって雰囲気や哲学が全然違うので、やって良かったと思ってます。
実際の面談では①ファンドを深く理解すること②自分との相性を確認すること③サマーインターンの可能性の確認すること、の3点を質疑応答やコミュニケーションを通じて確認してました。そうこうしている内に、サマーインターンをする先が見つかりました。そして幸運なことにそこが運命の企業であり、卒業後も同企業で働く予定です。

 

■実際の業務内容

サマーインターンの業務内容は、ファンド毎、もっと言うとインターン生個々の経験値によって千差万別です。私の知人で投資銀行出身の方は、インターンの2か月間のほとんどをスタートアップのファイナンス施策に関するブログをまとめて発信するのに費やした方もいましたし、キャピタリスト補佐として先輩キャピタリストのヘルプで投資仮説に関するリサーチや資料作成に従事した方もいました。
私の場合は前職がスタートアップで、会社がかなり小さい状態から大きく成長したフェーズを経験していたこともあり、その経験を活かして主に既存投資先に向けたいわゆるバリューアップに従事しました。
具体的には数十社ある投資先の経営者の皆様に対し、組織文化の構築方法、MVVの作り方and浸透のさせ方、そしてビジネスサイド組織の評価設計や業務オペレーションといった分野について、前職の事例を主なベースとして、勉強会や1on1ディスカッションを実施しました。
インターン最後の1-2週間は新規投資先の発見、いわゆるソーシングに関わりました。ただこちらはインターン限定された期間で成果を出すのは中々難しかったです。

   

 ■振り返り

インターン先ひいては就職先を探す作業は、キャピタリストになり投資先を探す作業に似ていると振り返って感じます。共に多くの企業をリストアップし、自分自身の想いや貢献ポイントを整理した上で、面談を通じて相性確認してご縁を見つけていくプロセスです。そのためインターン先を探すことに全力投球すれば、実際の業務にも活かせるかも?と感じてます。


長くなりましたが内容は以上となります。HECParisや本ブログに関して追加でご質問等ありましたら、お気軽にホームページ上からお問い合わせ下さい!


このブログの人気の投稿

受験体験記40 保険・私費

受験体験記42 建設・私費

受験体験記44 建設・私費