Fundamental Phaseの紹介
HECのMBAは、全部で4タームから構成されていますが、最初のTerm1とTerm2は全員必修のFundamental Phaseとなります。会計・統計・ミクロ経済学・マクロ経済学などの基本的な経済学の授業や、ストラテジー・オペレーション・組織管理・サステナビリティ―・コーポレートファイナンスなどの経営学の基礎科目の授業を広く学ぶことになります。今回は、Fundamental Phaseからいくつか授業を紹介しようと思います。ただ、毎年、担当教授やプログラムには変更が加わりますので、ご留意ください。
Statistics and Business Analytics
この授業はいわゆる統計学を学ぶ授業でした。私は学部生のときに統計学を勉強した経験があるのですが、学部で学んだ際の統計学の授業が非常にアカデミックに寄っていたのに対して、この授業では、実際のビジネスで利用できるスキルを身に着けることを前提としつつ、わかりにくい統計の概念も具体的なイメージがわくようにうまく設計された授業で、大変楽しめました。ソフトを使って実際に統計分析をして数回個人課題を提出し、学期末にはグループでのプレゼンテーションに取り組みましたので、課題を通じて実際に手を動かすことで、しっかり統計分析のスキルを身に着けることができました。
Organizational Behavior
この授業では会社の組織運営や、交渉、意思決定、ソーシャルネットワーキング等を学びました。経営学だけではなく、心理学等にも基づいた授業で、多くの論文等を基にしているため、非常に説得力がある授業でした。少人数のグループに分かれてロールプレイや交渉ゲームを頻繁に行いましたが、アジア・アメリカ・ヨーロッパ・南米・アフリカなどそれぞれの文化によっても、組織内で起こりうる問題点は違うので、様々な角度の問題意識に基づいて勉強することができました。
Strategic Management
いわゆる経営戦略の基本的なアプローチや分析枠組みを勉強しつつ、毎回ケースを読み込んでそれについて討論する授業でした。クラス内の議論は白熱しましたが、教授が議論をうまくオーガナイズしながら授業を進行していたので非常にためになりました。ケースを検討することがグループ課題として課されているのですが、提出した課題には教授が細かくフィードバックを記載してくださり、かつ勉強のために毎回の授業のケースを題材として何度でも検討結果を提出することができるという大変ありがたい制度の授業でしたので、コンサルティングに就職することを目指している学生にもそうでない学生にも非常に勉強になりました。
Ethics & Sustainability
起業倫理やサステナビリティ―を勉強する授業でした。この授業も、クラス内で活発な議論が行われました。各学生がそれまでのキャリアで経験した悩み。経験を授業内で共有し、プラクティカルな観点・アカデミックな観点の双方から、問題解決のためのアイデアを検討しました。ケースは、従業員個人の不正、会社ぐるみの不正、サステナビリティ―の観点から社会を変えようとする企業などがテーマとして選択され、幅広い観点から検討することができました。
振り返ると、どの授業もビジネスで実践することを念頭によく練られたものであり、自分が業務に復帰した際に、役に立ちそうな知識・経験を多く得られたので、大変良い時間でした。HECでは、授業に対するアンケートがとられ、毎年授業内容が見直され、改善されているため、毎年アップグレードされた結果、質の高い授業が開講されるに至っているのだと思います。Fundamental Phaseの授業は、まさに今後のキャリアのために必要な知識の基礎固めをする絶好の機会だと思います!