受験体験記22 弁護士・私費

基本情報

 入学月:2021/1
 出身業界:弁護士
 留学形態:私費
 英語・海外経験:海外旅行程度
 受験校:HEC Parisのみ
 TOEFL提出スコア:100
 GRE 提出スコア:317
 HECへのキャンパスビジット:なし

Why MBA?

私はいわゆる純ドメですが、司法試験に合格した頃から、周囲の影響を受け、将来的に大学でもう一度学びたい、可能であれば海外に留学したいと思っていました。また、弁護士の恩師からも、日本国内だけでなく、世界を見て高い視座で活躍できる弁護士になるよう言われたこともあり、弁護士になってからも、いつか海外留学をしたいと考えていました。そして、息子が生まれたことをきっかけに、留学に行くならこのタイミングしかないと思い、準備を始めました。

弁護士の留学先としては、アメリカのロースクールが一般的ですが、私の場合は、①ビジネスを体系的に学ぶことが、自身の専門分野である企業法務と倒産事業再生の両分野において、業務の幅と質の向上につながると考えたこと、②海外MBAでの知見が、他の弁護士との差別化の手段になると考えたこと、③MBAを通じて法律事務所の最適なあり方・マネジメントを考え、実践したかったこと、④法律よりもビジネスの勉強の方が面白く感じたこと、等からMBA留学を決意しました。

Why HEC? 

MBA留学の先としてHEC Parisを選んだ理由は、以下のとおりです。
  • 1年4か月という期間(長すぎず、短すぎない)。
  • MBAランキング上位校。
  • アメリカMBAと比較した場合のダイバーシティの高さ(多様な見方、価値観が学べる)。
  • アメリカMBAと比較した場合の相対的な学費の安さ。
  • フランスであること(親戚が住んでいる)。
そして、人生の貴重な16か月を、キャリアと業務を中断し、事務所と家族に負担と迷惑をかけ、安くない費用をかけて留学する以上は、本当に自分の行きたいところに行こう、ダメなら諦めようと思い、出願はHEC Parisだけにしました。

受験スケジュール(社費の場合社内選考含む )

受験スケジュールの概要は、以下のとおりです。

2018/1 AGOS Japanの受講をはじめ、TOEFLのための勉強を開始。
2018/3 TOEFL初受験:60/120(R14,L16,S14,W16)。
2019/9 TOEFL13回目にして100達成。GMAT対策を開始するも、出口が見えず。
2020/5 コロナ禍でGMATの会場受験が不可となり、GREに切り替え。
2020/6 6月中にGREを2回受験し、2回目で出願スコア獲得。
2020/7 エッセイ、推薦状を仕上げる。
2020/8/14 オンライン出願。
2020/8/28 書類選考通過の連絡をメールで受ける。インタビュー対策開始。
2020/9/8 インタビュー1回目(中国人女性)。
2020/9/9 インタビュー2回目(日本人男性)。
2020/9/19 合格の連絡を受け、受験終了。

利用した予備校、カウンセラーなど

私は、TOEFL、GMAT(出願スコアはGREですが)、CV、エッセイ、推薦状対策、インタビュー対策のいずれも、AGOS Japanにお世話になりました。他を受けていないので比較はできませんが、スコアメイクはもちろん、エッセイ、インタビュー対策においても、豊富な経験に基づいて、適切なアドバイスをして頂けたと思います。

GRE対策は、Magooshを利用して短期間で行いました。本番で求められるレベルの語彙集や、豊富な問題量があり、コスパ面でもとても良かったです。

実際に入学してみてどうか

この記事を書いている今、最後のTermが始まったところですが、今現在、HECのMBAに来て本当に良かったと思っています。

授業では、基本的に広く浅くではあるものの、マーケティングやファイナンスといった基本的な分野から、CSRやSustainabilityといった分野まで、最新のトピックを含め広く学ぶことができており、MBAに来なければ容易には得られなかったであろう視点を身につけられているように思います。また、既に知識として持っていた内容であっても、授業を通じて掘り下げて理解することで新たな発見があったり、異なるアプローチを知ることで理解を深めることができているように思います。まだまだ各分野で学ばなければならないことは多いですが、その必要性や方向性を理解できたことも、MBAに来てよかったことの1つです。

授業外では、TECやLeadership seminarをはじめとする独自のリーダーシッププログラムや、学生間のダイバーシティを通じて、多くの価値観に触れることができ、自分自身の価値観や考え方を見直したり、自身のキャリアや将来をより深く考えるきっかけにもなっています。特に、TECは、メンターとの1 on 1 meetingや同級生とのディスカッションを通じて、自分の改善すべき点や今後の進むべき方向を考えることができ、とても良い経験になりました。

受験生へのメッセージ

私は以前、HECの卒業生から、HECでの留学生活は色々な機会に恵まれ様々な経験ができるが、1年6か月はあっという間に終わってしまうから、留学でやりたいことや得たいものを、自分の中で明確にしておいたほうが良いとの助言を頂いたことがありました。そして、受験生の頃は、日々の仕事に追われながらも、どうして自分はMBAに行きたいのか、MBAに行って何をして何を得たいのかを考えるようにしていました。そのことが結果として、受験自体に対するモチベーションの維持につながって、何とか合格までこぎつけることができたように思います。また、そのおかげで、入学後の留学生活でも、限られた時間の中で自分なりの優先順位をつけて、やりたいことをやれているように思います。

仕事をしながらの受験勉強や出願準備は大変だと思いますが、それも含め非常に良い成長の機会だと思いますので、是非自分なりの留学の意義を考えながら、受験を頑張って下さい。どこかでお会いできることを楽しみにしています。

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