Specializationについて(Finance)

Specializationは、例年9月から12月中旬にかけて行われます。9月入学、1月入学の生徒とも、コアTermが終了した後に、同じタイミングでSpecializationを受けることになります。9月入学の場合は、ElectivesをTerm3、SpecializationをTerm4、1月入学の場合は、SpecializationをTerm3、ElectivesをTerm4で受けることになります。9月入学、1月入学の生徒とも同じ授業を受け、グループワークを一緒に行うため、普段あまり関わることのない他のバッチの生徒とも関わることのできる貴重な機会になります。

Specializationは、以下の中から、自分で選ぶことになります。事前にSelectionが行われますが、ほとんどの生徒が希望のSpecializationを専攻できていたと思います。2021年のSpecializationの中で、受講している学生が最も多かったのは、Advanced Strategyで、その次にFinance、Digital Innovationでした。
  • Advanced Management
  • Entrepreneurship
  • Finance
  • Strategic Marketing
  • Advanced Strategy
  • Digital Innovation
  • Sustainable and Disruptive Innovation

【Finance Specialization】

今回は、Finance Specializationについて、紹介します。日本人は、計3人(2020年9月入学:1人、2021年1月入学:2人)がFinanceを受講しました。また、日本国内の大学のMBAからの交換留学生も、Financeを受講していました。
Financeは、以下の7つの授業から構成されていますので、それぞれについて、簡単に紹介します。

1.Advanced Corporate Finance

本授業は、コアTermで学んだコーポレートファイナンスの応用版で、実際のケースを使用して、理論で学んだことの実務面での留意点・間違いやすいポイント等をカバーしています。取り扱う範囲は幅広く、具体的には、Equity&Debt Financing, M&A, Valuation, LBO, IPO等をケース中心に学びます。教授は様々な投資銀行で働いた経験があり、授業中にPEやInvestment Bankingでのジョブインタビューでの注意点なども話してくれるなど、スペシャリゼーションらしく実務視点を幅広く取り入れており、非常に参考になります。

2.Structured Finance

本授業は、Corporate FinanceやProject Financeの仕組みや実務について学びます。また、グループでOffshore Wind Projectに関するBiddingのシミュレーションや、Fiber Projectに関するTerm Sheetの作成等を行います。知識があまりない中でも、自分たちで調べてBiddingに関する書類やTerm Sheetを作成することで、理解を深めることができました。さらには、アルムナイがゲストスピーカーとして、飛行機のLeasing Businessについても、説明をしてくれました。

3.Private Equity Buyouts

本授業は、Private Equity Firmのパートナーが担当しており、Buyoutsの仕組みやプロセスについて学びます。また、二つのBuyoutケースについて、企業戦略、Valuation、資金調達等の側面から、グループで分析を行い、プレゼンテーションを行います。これらを通じ、実際のディールについて深く理解することができました。

4.Mergers & Acquisitions

本授業は、M&Aを専門としている弁護士の教授が担当しており、法的側面からM&Aを分析します。教授が繰り返し授業中に言っていたことは、”Finance担当者であっても、M&Aの契約構成および条項の概念を理解しておくことは必須であり、Finance Specializationの中に本授業が組み込まれている”ということでした。M&Aのプロセスの中で必要な法的書面や手続きについて、教授の経験を共有してもらうとともに、それぞれの位置付けや内容について説明がありました。また、授業の中でLOIやShare Purchase Agreementの読み込みをし、重要な条項について解説がありました。

5.Trading and liquidity in financial markets

本授業は、ECBのシニアエコノミストの教授が担当します。Term1の基礎科目で、Financial Marketがありますが、そちらの発展編の授業です。Financial marketのクラスでは、主に公式・教科書上の話でしたが、こちらはより実際のマーケットに近い話をします。スプレッドや、株だけではなく債権の話も取り扱います。トレーディングシミュレーションソフトを使い、板を見ながらどのタイミングで売り買いするのかゲームを行います。授業は基本的に教授の話を聞く形式で、授業を基にしたグループワークと期末テストで評価がつけられます。

6.FinTech

本授業は、Blockchain Technology、Crypto AssetsやDeFiを中心に注目度が高いFintechついて様々な視点から学びます。教授はFinancial innovation分野の専門家であり、特に理解が難しいBlockchainや技術革新に伴う業界変化・規制対応についても理解が深まりました。Fintech企業に関するグループプレゼンテーションもあり、理論面だけでなく実際の企業・サービス・トレンドについても学ぶことができます。

7.Current Topics in Investment

本授業は、ファイナンスにおける最近話題のトピックから投資行動について等、幅広いトピックを取り扱う講義です。具体的には、ビックデータ、サステナブルインベストメント、エナジー等のトレンドを、教授がスライドに沿って説明してくれます。講義で習った内容を基に、実際のニュースを基に、たとえば、なぜこのヘッジファンドはこの行動をしたのか、それ与える影響は何かなど、クラスでディスカッションを行います。その他、投資家の行動の原則など、公式的なものも取り扱います。一つの答えがある講義というよりは、様々な切り口から昨今のファイナンスを見ていくという講義です。


以上がFinance Specializationの説明となります。Specializationは、自分の興味のある分野に関する知識を深める良い機会となります。ご参考になれば幸いです。


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