学部留学との比較

こんにちは。今回の記事では、MBAと学部留学の違いを英語圏の高校・大学を卒業した私自身の経験からまとめます。先に結論を言えば、個人的には留学の満足度は現在のMBAの方が圧倒的に高いです。HEC Parisに入学したからこそ経験できた点を、学部時代と比較しながらご紹介したいと思います。

この記事を読まれている皆さんの中には、海外留学をされなかった、もしくはしたかったけれどもできずに社会人になられた方も少なくないのではないかと思います。そこでMBA留学が、高校・大学での海外留学に比べて一切引けを取らない最高の体験であるということを感じていただき、留学を迷われている方の後押しとなれば幸いです。

授業への参加

MBAでは学部と比較し、学生と共に授業を成立させる意識がより強いと感じます。私自身の体験としては、学部時代は教授からの一方通行の授業が多いと感じた一方、MBAでは学生が発言する機会が多く与えられています。その理由の一つとして、学部はクラスサイズが大きすぎることが挙げられると思います。HEC Parisのクラスサイズは最大50名ほどに抑えられており、クラス内での発言の機会が得られやすいと言えます。

また、クラスでの積極的参加が成績の一部に反映されることも多くあります。学部時代にクラスで発言した記憶がほとんどない自分にとっては、質の高い発言がなかなかできず苦戦しています。これは私が学部時代にやり残したことで、できることならもう一度留学をしたいと思っていたので、その悔しさを糧に不格好ながらも海外MBAの日々を邁進しています。

授業の面白さ

学部時代に比べて、授業の面白さや内容の濃さを感じています。それは自分自身、同級生、そして教授陣が企業での勤務経験をそれぞれに持っていることが大きな要素です。同級生は、本当に多種多様な業界から集まったエリート集団であり、そのバックグラウンドを活かして自身の経験や知識を共有してくれるので、学びの幅が広がります。教授陣に関してもアカデミックと実務のキャリアのバランスが良く、授業内容に深みがあると感じます。また、各教科で様々なケースを読むため、世界の色んな業界を知る機会にも恵まれています。

グループワーク(プレゼンテーション等)の多さ

学部時代は個人のパフォーマンスによる成績がほとんどでしたが、HEC Paris MBAではすべての教科においてグループワークがあります。グループは仲の良い同級生と組めるわけではなく、学校側によって自動的にアサインされます。あるクラスで「会社の中で仲良しグループだけで仕事ができるか?」と教授に言われたこの一言が印象的でした。バックグラウンドが大きく異なるグループで1学期間を共にするので、トラブルが起こることは日常茶飯事ですが、国際舞台で活躍するためには避けては通れない道ではないでしょうか。ビジネススクールという失敗の許される環境は、自分を磨くための最高の場所であると考えられます。

ネットワークの広さ

大きな大学では、一学年数千人の生徒を抱える学部が少なくありません。私の出身大学もいわゆるマンモス校でしたが、何人と知り合うことができたか、ましてその中で何人と深い仲になれたかとなると限定的だと思います。HEC ParisのMBA生は約150名と、小~中規模のクラスサイズのコミュニティです。キャンパス生活だけでなく、クラブ活動やその他のイベントにおいても交流の場が多いので、たくさんの同級生と知り合うことができます。さらには同級生全員が、MBAを経てどのようなキャリアを歩みたいのかを真剣に考えている集団でもあります。そういった意味で共通点のある境遇、モチベーションが同じであることが多いので、より深い関係を築きやすいのではないでしょうか。

英語力

高校・大学留学のおかげで会話には苦労しないレベルの英語力は身に付きましたが、MBAはそれに加えて、高度なアカデミックとビジネスレベルの英語力が鍛えられる場であると確信しています。なぜなら、学生たちがただ受け身でいることのできないプログラムの設計になっているからです。上記のクラスやグループワーク、様々なアクティビティにおいて、フォーマルな英語で発信する力を自ら磨いていくことのできる環境が整っています。

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