Electiveについて (2)

初めまして、S19Mと申します。Term3が終わり夏休みも明け、いよいよ最終Termに突入するということで、感慨深く感じている今日この頃です。

さて、今回はTerm3の選択授業(Electives)の私自身の振り返りをこちらのブログにて紹介させていただければと思います。この期間は、MBAプロジェクトという教授や同級生とスクラムを組んで取り組む卒論のようなプロジェクトや、交換留学制度に時間を使うことも可能なのです。HECでは基本的に在学中に8つのElectivesを修了する必要がありますが、MBAプロジェクトはElectives4つ分、交換留学の場合は8つ分の全ての代替とすることが出来ます。私自身は、Term38個の全てのElectivesの授業を取得しました。

(補足: 9月入学の方の場合は冬季に1月入学の方と一緒にElectivesを分散させて取得することも可能のようです。ただ、各年度によって規定が変わる場合もあるため、詳細情報に関してはアドミッションにご確認いただければと思います。)

 

私が取得したコースは以下の8つの授業です。大きく分けて、リーダーシップ、アントレプレナーシップ、ソフトスキル(組織論含む)の3つのテーマを重点的に学びたいと考え、コースを取得するようにしました。

リーダーシップ

1.     Leading in a Diverse World

2.     Responsible Leadership

アントレプレナーシップ

3.     Technology & Innovation Strategy

4.     Business Model Innovation: Odyssey 3.14 Approach

5.     Marketing through Social Media

ソフトスキル(組織論を含む)

6.     Positive Psychology for Managers

7.     Organizational Design and Management

8.     Design and Management of Service Organizations

 

私自身、新卒でIT企業に入社して米国の最新技術を日本市場に向けてカスタマイズする業務を行った経験や、社内ボランティアの活動の一環として子どもたちにプログラミングやAIについてのワークショップを行う過程でEdtechビジネスに興味を持ち、人や組織を主体としたテクノロジーやビジネスの在り方を広範囲に学べる授業を選択しました。また、Term4ではDigital InnovationSpecializationで取る予定のため、Specializationとも親和性のある科目を優先的に取るようにしていました。
コロナの影響で全ての授業がオンラインで実施される運びになりましたが、教授陣の授業に対する工夫が大変素晴らしく、個人の見解ですが自室からオンラインで授業を受講していたことにストレスに感じたことはほぼありませんでした。

8つ全てのElectivesをこちらでご紹介させていただくのも冗長になるため、上記の3つのテーマからそれぞれ1つずつ、とっておきの授業をご紹介させていただければと思います。

 

リーダーシップ

1.     Leading in a Diverse World

Roxana BARBULESCU教授というスタンフォード大学で学士を、INSEADMasterPh.Dを取得された女性の先生が担当される授業です。

ケースを用いた授業内でのディスカッションが中心となり、ビジネスの現場で実際に起こっているジェンダーや国民性の違いから生じる差別や偏見に対する問題に対してプロフェッショナルとしてどう振る舞うべきかを体得していくという授業スタイルでした。成績は授業中の発言とレポートで評価されます。

どのセッションも大変興味深い内容のものだったのですが、特に印象深かったのが現代アートをツールとして用いて、多様性の在り方を受容しながらリーダーシップの在り方を考えさせる回でした。藤田治というフランスにゆかりのある日本人画家が紹介された時は日本人として大変光栄でした。アートという答えがない対象と出合った時にそれをどのように感じて解釈するのかを通して、組織という不確かな集合体の中でリーダーとしてどのようにイニシアティブをとるべきかを個々人に問いかける授業スタイルは大変秀逸でした。

< Léonard Foujitaが紹介されたスライド>

 

< Roxana 教授>

醸し出される雰囲気がとても知的で、なおかつチャーミングな大変魅力的な先生です!

 

アントレプレナーシップ

3.     Technology & Innovation Strategy

こちらの授業もDenisa MINDRUTA教授という女性の先生が担当される授業でした。授業の内容としてはマッキンゼーのコンサルタント、リチャード・フォスターが開発したS字カーブという基本的な理念の紹介から、若手起業家の方をスピーカーとして招待して最先端のテクノロジーをどのようにスタートアップとして展開しているのかを学べる実践的なコースでした。成績は授業中の発言、レポート、グループワークで評価されました。(本来であれば最後に期末試験が課されるはずでしたが、コロナの影響などの状況により、今Termは期末試験はありませんでした。)

起業家の方を迎えてのセッションでは、Thomas Serval氏というKolibreeという子ども向けの電動歯ブラシを開発するフランスのスタートアップでExecutive Officerをされている方にレクチャー頂きました。シードレベルからKickstarterで資金を得て、会社として立ち上がるまでのビジネスのプロセスや、デジタル・マーケティングのキャンペーンをローンチした時にA/Bテストでどのようにターゲットセグメントを組み替えて効果的にマーケティングプランを打ったのかなどの実践的なレベルでの経験談を伺うことができてとても勉強になりました。


<
最終のグループワークのプレゼンの内容>


    補足

私のグループではHTCというVR技術を扱う会社に対して、今後HardwareSoftware事業に対して、どのようにビジネスの舵を切るのかという提案を発表しました。

ソフトスキル(組織論含む)

6.     Positive Psychology for Managers

こちらはKayvan Kian教授というアムステルダムのマッキンゼーでコンサルタントとして現役で活躍されていらっしゃる先生の授業です。HECの他にもハーバード大学やSciences Po(パリ政治学院)といった他の名門校でも講義を行われていらっしゃるようです。
若手のビジネスマンがVUCAな環境でどのようにサバイブしていけばよいのかをマインドフルネスや思考法のフレームワーク等を紹介しながら講義していく授業なのですが、とても新鮮な授業のスタイルでした。成績は授業中の発言とレポートで評価されます。
2~3
人の少人数でのグループディスカッションを授業内に何度も繰り返すため、リモートで受講していてもクラスメートとの一体感を得られる授業形式でした。
私が特に心に残っているのは授業内で紹介されたニーチェの以下の言葉です。(あまり紹介しすぎるとこれから履修される方の楽しみを奪ってしまうかもしれないので、この一言の紹介だけに留めておこうと思います。笑)

“Those who have a ‘why’ can bear almost any ‘how’. - Nietzsche”

「日々生活していると、思ってもいなかったような不条理な出来事やアクシデントに悩まされたりしますが、自分の心の中にある信念を忘れずに過ごすことで、必ず心の中に光が差し込んでくるのだということを忘れないでほしい」、というのがこの授業のコアにあります。
この授業が私にとってのTerm3の最後の授業だったのですが、この授業が最後の授業で本当に良かったと実感しています。


<
授業内に紹介されたスライドの1>
絵や図を多用した授業コンテンツのため、直感的でとても分かりやすい内容です。


<授業中の様子>
最後のセッションでは11人が授業を取っている全員に対してGratitudeを示すという場が設けられました。コロナの中でリモートで離れ離れになっているけれどクラスメートの大切さをこの授業を通じて改めて実感することができました。

ではでは、今日はこの辺で。À bientôt ! 

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